仕組みでカバーする事の重要性
皆様こんにちは!
キッズトレーナーの奥村です!
何やらビジネス記事についてそうな題名ですが、怪しいお話を始めるわけではないのでご安心下さい。
私が子供に運動指導を行う際に意識している事の一つに「仕組み化」があります。
それこそビジネスシーンでも重要視される事ですが、ヒューマンエラーは必ず起きるため、システムを構築してそれをカバーして行こうという考え方です。
この考え方は、児童教育にも通じるものがあると常々感じています。
今回は子供の運動教育における私が行っている「仕組み化」についてお話します。
スタートの合図を作る
学校では授業開始と終了の合図として「チャイム」が存在します。
チャイムが鳴れば皆教室に集まり、先生が入室後「起立!気を付け!礼!」の挨拶で授業モードに頭が切り替わる方が多いのではないでしょうか。
また、この号令に従って全員が同じ一連の行動をとる、ある種の【儀式】感も集団統率には重要な要素なのではないかと考えています。
全員立っているのに、自分は授業を受けたくないから断固立たない。と言う人は少ないと思います。
こうして半強制的に立たされ挨拶をさせられると、授業に参加する合意がされたという共通認識が生まれて何だか逃げ出せない雰囲気になるのです。
運動教室にチャイムはありませんが私は授業開始の合図として意識的に【儀式】を毎回行うようにしています。
とはいえ、太陽のある方角に向かって礼拝をするようなものでなければ、皆で手を合わせ南無阿弥陀仏を煩悩の数数えるわけでもなく、「運動能力習得の要素があって、子供が楽しめる内容の簡単なゲーム」を2つ3つ行い、その後挨拶をする、という流れです。
特に幼児~小学校低学年の子供は脳の発育段階的にも切り替えや集中が苦手です。
ところが不思議なもので、このゲームを始める前はずっとしゃべり続けていた子供も、スッと集中する顔に変わります。
そこから挨拶~活動ととてもスムーズな流れでその後の授業を進める事ができるのです。
「おしゃべりを辞めます!!」
と一括すれば済む話かもしれませんが、おしゃべりしてしまうのはその子の発達段階上の特性であって、悪気はありません。
一つ怒られエピソードを増やすくらいなら、少し時間がかかっても楽しく活動に入った方がベターと考えています。
ルーティンワークをつくる
これも授業に集中させるための仕組みの一つですが、必ず同じ流れのサーキットトレーニングを準備運動の段階に取り入れています。
毎回同じことやったら子供は飽きそうと思いますよね?
どっこい、毎週同じ流れを行っても割と多くの子が嬉々として体を動かしています。
ルーティンメニューは、実は羞恥心の強いいわゆる「失敗したくない」子供にとって安心材料になるのです。
また毎回同じことを行うと必ず進捗もあるため、褒められポイントが増え自己肯定感の向上にも繋がると考えています。
このルーティンワークである程度自己肯定感を高める事ができると、その後のチャレンジングな種目に入った時に一歩を踏み出せるようになる子供が多いなぁと感じています。
マークや共通言語を作り多用する。
「横に並びます」
「もう少し下がって」
このような支持は子供達にとってはかなり抽象度が高く、完成形の形を想像する事ができません。
「横に並びます」→縦一列で横向きになったりする
「もう少し下がって」→めちゃくちゃ後ろまで行ったりする
悪気があるわけでは無く単に塩梅が全然わからないんです。
実際にこのような場を目にすると「いやいやいや、ふざけてやってるだろ…」
と思うかもしれません。
でも子供たちは多くの場合大まじめです。
ついこの前この世に生を受けた子供にわびさびを求めるあたり、わびさびが無いってもんです。
そう、ついこの前この世に生を受けた子供にわびさびを求めるあたり、わびさびが無いってもんなんですよ。大事な事なので二回言いました。
そんな時、地面に一本のラインがあるだけで重宝します。
「白い線の上に集合!」→列の横に移動して「先生にお臍を向けます!」
これで横一列は一瞬で完成し、すぐに活動に移る事ができます。
その他にも教室内の物の配置を定位置にする事で、その場の東西南北を設定して共通認識を作り出したり、体の外のものに規則性を持たせる事で集団統率は一気に楽になります。
以前とある幼稚園の運動指導に伺った時に先生方が「何でちゃんと並べないの!」と終始カリカリしている事がありましたが、
「ちゃんと」どころか「真っすぐ」の定義が入っていない子供にその叱責はお門違いだろ、と感じてしまいました。
管理側の「それくらいわかるだろ」というおごりのせいで、無駄に怒られる子供はたまったものでは無いですよね。
というわけで今回は教育現場における「仕組み化」について少しだけお話しました。
本当に簡単な工夫ですが、とても重要な事だと私は思っています。
何においてもそうですが、どうしても自分目線になりがちです。
今後も少しでも子供の目線から見える世界を想像し、より良い運動指導を目指して行きます!!