子供に筋トレをさせると背が伸びなくなるって本当??

だれもが一度はどこかで耳にしたフレーズです。
特に「筋肉をつけすぎると背が伸びなくなる」という噂は
小学校中学校
今回はこのことについて考察していきます。

実際のところどうなのか?

そもそも筋トレという言葉がどの程度のものなのかも曖昧
なので、一概に答えを提示できる問いといえませんが、
「筋肉が付きすぎると」背が伸びなくなるという事に関しては
ほぼ根拠はないと言っていいでしょう。


むしろ筋トレをする事によって子供の成長を促す効果もあるのです。
事実骨というのは、長軸方向や横軸方向から刺激が加えられる事で
成長が促され、縦に伸びたり、太くなったりするという
科学的証明がなされています。


適切な負荷による筋力トレーニングや
走る、跳ぶ、投げる、等、基本的な運動等が
骨を太くする事に一役買うのです。
(ストレッチも筋肉を伸ばす事により骨が横軸方向への刺激を受けて
太くなる要因となるとも言われています。)

つまり、適度な負荷の中で行う運動やストレッチが骨の成長を促してくれる
ことは確かなのです。

噂の真相は?

ただし、ここで問題となるのは運動の負荷です。
特に高校生くらいまでは、骨や筋肉などが発育段階にあり、特に骨は成人にくらべ
柔らかい状態にあります。
そのため、過度に高い負荷に対しての障害のリスクが非常に高まります。

例えば激しいジャンプ動作を繰り返し行った結果
脛骨に炎症が生じる「オスグッドシュラッター病」などは
皆様も一度は耳にしたことがあるかもしれません。

また成長期の骨は骨端線という軟骨組織が見られます。
この骨よりも弱い軟骨が損傷してしまう「骨端線損傷」などが起こると、場合によっては
成長障害が残る可能性もあります。

こういった事から、筋トレのしすぎは成長を阻害するという情報が紆余曲折を
経て「筋肉をつけすぎると背が伸びなくなる」という噂につながったのではないかと
ここでは推測します。

成長期に取り組むべきトレーニングとは

それでは、実際子供にはどんなトレーニングをさせるべきなのでしょうか。
5~12歳頃までをゴールデンエイジなどと呼んだりしますが、
これはこの時期に神経系の発達が著しく様々な神経回路が形成され
運動能力の基礎ができあがる時期となります。

この時期には、まずとにかく多種多様な運動経験を積み体に覚えさせることが大切です。
また、神経系の発達度合いが著しいこの時期にはコーディネーショントレーニング
という神経回路の伝達を早めるためのトレーニングに取り組むのもよいでしょう。
そうすることで、新しい運動経過を素早く把握して習得することや
多種多様な条件に対して適用する能力が養われます。

また「筋トレ」という観点からいえば、
いわゆるウェイトトレーニングのような高重量を扱うトレーニングは避け
身体の機能性を上げるようなトレーニングを自重を扱う範囲で行うことが
望ましいです。

特に、体幹トレーニングは正確な姿勢制御や、運動動作を行う上で欠かせませんし、
この時期にしっかりと取り組むことで、体に染みつけることができます。
いわゆる「運動神経がいい」と言われる子供たちは、このような運動経験を
経ていることが多くトップアスリートたちもご多分にもれず
多種多様な運動を経験しているのです。

そんなわけで、今回は
「子供に筋トレをさせすぎると背が伸びなくなる?」という噂を検証してみました!
最近はこのように科学的に様々なことが証明されてきて、
現代の子供たちが大人になるころ日本のプロスポーツ界にどんなすごい選手が現れるか
今から楽しみですね!!